ホーム > ウォーキングレポート > 100kmウォーキング 2013(つくば)
2013年6月30日
横浜市の西中様から
つくば100kmウォーキングに参加
時速6キロで100キロを歩き通す (2回目のつくば100キロ)

 5月25・26日。1週間前からつくば地方の天気予報を、インターネットで検索するのが夜の日課となっていた。日々予報が変わる中で、まずは雨は心配なさそう。そして気温の方も、参加者を祝福するかの様な最高気温20度ちょっとと絶好のウォーキング日和になりそう。更には、当日は満月である。これだけの好条件が揃うのも珍しいのではないだろうか。そして、いよいよ明日が本番である。
 思えば昨年この大会を見つけて100キロウォークが初めての4名と参加し、歓喜と屈辱の結果に分かれてから早や1年。完歩の歓喜を経験したN氏は再び歓喜を、屈辱のリタイヤだったT氏とN氏ご子息とH女史はリベンジを誓って、さらにN氏からの話を聞いて、苦しみよりも感動を求めて参加を決めた新たなチャレンジャーH氏とK氏や、フルマラソン4時間の強者S女史達も加わっての8名のチームとなった。当日は仕事の関係でK氏不参加、また諸事情のT氏に代わってN氏の奥様が初参加となり、計7名でスタートした。
 つくば100キロウォークは、九州行橋ー別府と違ってつくば登山口を起点としての折り返しコースである。最初につくば登山口からつくば古道(20キロ)を歩いてつくば登山口に戻り、そこからリンリンロードを北に上って岩瀬までの20キロを折り返しての40キロ(60キロ)、そして最後はつくば登山口から土浦まで20キロを下って折り返しての40キロ(100キロ)である。だから2回はすれ違う事になるが、これがあるから楽しいコースなのだ。
 今回は自分のモチベーションアップの為に、これまでの記録の更新に挑戦する事にし、昨年の九州大会(17時間38分)同様に目標達成の詳細計画を立てて臨んだ。100キロを時速6キロで歩き通すと16時間40分になるが、無謀にも今回はそれを目標にした。つくば100キロはほぼ20キロ毎に飲料補給やバナナ・アンパン等のエイドが準備されており、28キロ地点には人気のメンチカツやキュウリがあって、休憩と共に腹ごしらえや気分転換が出来る有難い大会である。これら休憩の時間確保の為に60キロまでは6.2キロ/時で、残り40キロを6キロ/時でのポイント毎の通過時刻を計算し、20分の休憩時間含めての16時間40分のゴール計画表を作った。結構きつい計画であるがチャレンジし甲斐のあるものだ。
 気温は予報に反して日射と共に高くなっていたが昨年ほどではない。雨が降らないだけでも良しとしないと。青空をバックに頂上と稜線がくっきりと見える魅力的な筑波山が、100キロウォークの戦士達を見下ろしている。開会式で今年の目玉であるお米の抽選があり大いに盛り上がったところで13時に戦いの幕が下ろされた。長い長い100キロ先のゴール目指して元気な足取りの500余名の行列ができる。スタートは100番単位でのウェーブ方式で、今回は519番だったので最後の出発となり13時09分頃に計画表タイムオンとなった。
 最初の20キロは「日本の道100選」にも入っている「つくば古道」を12キロ歩き、リンリンロードを8キロ歩いて出発点のつくば登山口の第一チェックポイントに戻るルートである。目標より速いピッチで快調に進んでいく。昨年も九州の大会も毎回スタートして2時間半くらいになると調子が悪くなっていたのが脱水症状と判断し、今回は1時間毎に水分を口にした。今までは兎に角我慢して歩く事を良しとしていた大きな勘違い。100キロ7回目で気付く愚かさに苦笑いである。5分前にスタートした仲間達に7キロ辺りで追い付いた。初めての3名も頑張っており、頼もしい限りである。その後も快調で予定より早目に20キロ到着。あとから計算すれば、この区間を6.5キロ/時で歩いていた。約10分の貯金である。チェックを済ませトマトを戴いた。このトマトの美味しい事!びっくりである。3切れも戴き飲料を補給して20キロ先の岩瀬に向け16:18出発。
 まだ陽が高く結構暑さを感じながらペースを保って23キロのセブンイレブンを通過し28キロの休憩所までやってきた。前回は30キロ真壁で休憩とメンチカツがあったのだが、周辺住民に迷惑をかけるという事で変更となった所で、メンチカツとキュウリのエイドが準備されていた。メンチカツはお腹を考えて食べずにバッグに入れキュウリを戴いた。これまたとても美味しい!! 給水して再出発する。ここまで来ると前後の人数も少なくなり、只ひたすら目標に向かって歩を進めるだけである。疲れと孤独とちょっぴりの後悔(何故苦しいのに参加したのだろ?)が身を包んでいく。
 今回の参加前に、山岳マラソンをやっている職場の仲間が「電解質クイックチャージ」や「アミノバイタル」などを差し入れてくれた。初めて口にした「電解質クイックチャージ」であったが効果覿面、身体がリフレッシュされる感じで元気が漲ってきたのである。その後、疲れたと思った時にこれを口にした。仲間の応援・心遣いに感謝しながら「計画達成」に向け心新たにしたのである。
 40キロの岩瀬にも予定より早く着き9分の貯金が残った。バナナを2本戴き給水して仲間にメールしていると、あっという間に休憩予定時間をオーバーし10分近く経ってしまった。軽くストレッチをして来た道を戻っていく。岩瀬を出てまもなく最初の仲間とすれ違った。疲れが一気に飛んでいき、お互いの健闘とこれからの頑張りのエール交換をする。いやいや、離れて歩いていても必ず仲間と2回は会う事ができる(仲間が100キロ完歩するという条件は付くが)というコースがつくばの良いところである。しばらくして、また仲間とすれ違った。この二人は親子で息子は昨年50キロリタイヤのリベンジ、母上はピンチヒッターで初めての100キロ挑戦だが、なかなかのペースでここまで来ている。またまた元気をもらった。52キロ地点のメンチカツ休憩所まで進みキュウリを戴き給水した。「なんでこんなに苦しいのに歩いているんだろうねー(愚痴)」という私に、「前の人も同じ事を言ってわよ。頑張って!」と優しい応援の言葉をくれる昔若かった女性ボランテイアの言葉に励まされて60キロのつくば登山口を目指す。「皆、同じ事を考えていて、皆、頑張っているんだよなー」と自分を鼓舞しながら、真っ暗な道をヘッドライトの灯りのみを連れとして孤独と眠気と闘いながら57キロのセブンイレブンまで戻ってきた。23キロの時はまだ明るかったのでしっかりと道順を覚えておいたお蔭で間違える事無くリンリンロードに入れた。昨年はここで道を間違えて大惨事になるところであった事を思い出し、ひとり苦笑い。きっと知らない人が見たらおかしな人にみえるのでは?と思い、また苦笑い。ここで、タイガーマスクのお兄ちゃんと一緒になる。あのマスクを被りマントを翻しながら歩くのは大変だろうなーって半ば同情、半ば畏敬の念を持って「お疲れ様ー。頑張ってくださーい。」とタイガーマスクと自分に声を掛けて追い越していき60キロ地点に到着。22:56で貯金が3分に減っていた。
 ここは、今回新メニューの甘酒があった。疲れた身体に甘酒最高!で感謝しながら戴いた。とても美味しかった! 只、甘酒が熱くてなかなか飲めなく結構時間がかかってしまい貯金を無くした上に10分の借金となってしまった。ここでの10分オーバーは厳しく目標の16時間40分に黄信号点灯。計画表では、ここからは6キロ/時の予定だが試練である。「残り40キロ!」と心で呟いて気持ちも新たに、まずは13キロ先の藤沢を目指す。前を歩く人の赤灯も後ろから追いかけてくるヘッドライトも全く見えず、完全に一人旅である。昨年、あれ程煩かったカエルの鳴き声も今年は静かで、静寂の中を「眠気」と「疲れ」と「痛み」と「孤独」の四重苦を背負って「意地」を支えに進む。甘いものが欲しい!となり、自販機でカフェオレを買って一気飲み。気持ちを入替えて進むが、7キロ程進んだ小田城跡辺りでヘッドライトが付かなくなった。おい!おい!である。スイッチを切ったり入れたり乾電池を外してみたりしたが、電池切れなのか接触不良なのか点灯せず。四重苦に上乗せである。きっぱりと諦めてヘッドライトをポーチに仕舞う。頭が軽くなった分だけ良しとしようとポジティブに考える事にした。幸いにも、この日は暦では満月で、残念ながら雲があって月はみえないが少し明るくて道は見える。天はまだ我を見捨ててはいない!と奮い立つ。
 100キロ7回目であるが、毎回この時間帯が苦しい。寝てしまうのである。寝ながら歩くって考えられないけれど、正に寝ながら歩いているのである。1・2・3・4・5・6・7・8とカウントを取りながら歩くのだが、1から6までは目を瞑り7と8で目を開ける。この繰り返しである。時には7・8で目が開いていないのか、気が付くと道の右側を歩いていたはずが左端に寄っている事がしばしばある。道の両脇は田んぼなので落ちたら大変なのだが、不思議に道から完全に外れた事は無い(自慢にはならないが)。当然ペースも落ちてくる。今回は4月の80キロの他に、土日を使って20〜30キロを何回も歩いた。、その時に時速6キロのスピードを身体で覚える練習をしてきた。以前のペース5.8キロ/時はミッキーマウスマーチだったが、6キロ/時に合う音楽がなく144歩/分のリズムを「1・2・3・4,1・2・3・4」と覚えていった。歩幅70センチに8640歩/時で6キロ/時強で歩ける。これを100キロ続ける事が今回の目標で、凸凹あるにしてもトータルでキープすれば、目標の16時間40分での完歩となる。今回なぜか、この144歩のリズムを「猫・ひ・ろ・し、猫・ひ・ろ・し」で取った。猫ひろしのフルマラソンの姿、最初からあのスピードで走り、最後まで維持する頑張りにいつも感銘しており、苦しい時に猫ひろしにあやかって自分を鼓舞した。サッカーの長友の90分走り続ける体力も感嘆であるが、「な・が・と・も」はどうもリズムに合わないのでやめた(笑)
 「猫・ひ・ろ・し、猫・ひ・ろ・し」と呪文の様に呟きながら歩いていると、前からヘッドライトが近づいてきた。トップの人である。「お疲れ様でーす!」とお互いに声を掛け合ってすれ違った。「速い!元気!」と眠気もすっ飛び、気合を入れ直す。1時10分くらいに藤沢に到着し、給水のみで土浦(80キロ)に向かう。藤沢から土浦までの7キロちょっとが最高に辛い。疲れも眠気もピークで、逆に気の乗りようは最低で、テンションは底辺まで下がっている区間である。自販機で炭酸飲料を買い、一気飲み。少し歩くとまた自販機の前に立っており、今回はヤクルトを買う。両方とも大好きな飲み物であるが、さすがに500mlの2本は一気飲みできず、ヤクルトは土浦まで持ち歩いた。2時24分、土浦到着。チェックを受け、アンパンを戴く。美味しい!! 水腹であったお腹がアンパンで満たされる。3分休むと決めて屈伸したり深呼吸で身体中の空気を入れ替えた。残り20キロ、つくば登山口のゴール目指して29分に出発する。
 歩き始めはペースが出ない。おまけに歩きながら仲間へのメールを打っているのだから余計である。手の甲はグローブの様に浮腫んでおり、携帯のキーを押すのも難儀である。まだ暗いしヘッドライトは無く、携帯の画面の明るさのみで携帯を見ながら歩いていると危ないので、80キロ到着メールを明るい自販機の前で無事に打った。さぁー、これからは只ゴール目指すのみ。ここまでは概ね計画通りにきている。鈍くなった頭で計算をする。
  • 土浦を2時29分に出発した。
  • 残り20キロを時速6キロで歩くと3時間20分で、ゴールは5時49分になる。
  • スタート時の遅れが9分ある。
  • 昨日の13時00分出発の計画表は土浦2時20分である。
  • げぇー、計画通りじゃん。
  • えーと、昨日の13時00分出発で16時間40分後は、今日の5時40分。だから9分遅れてスタートしているのだから、5時49分にゴールすればよい。(これを何回も繰り返した)
  • うん、間違いない。やっぱり計画通りだ。
 だが、携帯メール打ちで時速6キロはでていないし、これから1キロを10分で歩くのは極めてキツイ! 鈍った頭で何回も計算を繰り返すが、6キロ/時で歩かないと目標クリアは出来ない。ちょっと弱気虫がでてくる。「80キロも6キロペースでよくきたよ。ここまでくればいいんじゃねーか?」「これから時速5キロで歩いても17時間台でゴールできるよ」「ヘッドライトもなかったんだし・・」「皆、良く頑張ったと言ってくれるよ」など、言い訳や自分を慰める言葉が頭をよぎっていく。自然にペースが落ちてくる。この苦しさ、昨年の行橋ー別府100キロを想い出す。そう、日出からの最後の14キロの苦しさ。あの時も18時間切の目標を持って歩き、そして17時間38分で歩き切った。「ここで諦めて、お前は悔いが残らないのか?」「明日以降、あの時にもう少し頑張ればよかったって思わないかい?」「ここまでの努力が水泡に帰す事になっていいのか?」「お前は男なのか?」「今、頑張らないといつ頑張るんだ?」と、負けん気虫・頑張り虫が出てきて葛藤する。再び「猫ひろし」の登場でペースをあげていく。しばらくして仲間のN氏とすれ違う。すごく頑張っている姿に接し、懐かしさと孤独からの解放で、何か身体に力が漲る気がした。ピッチを140/分に戻していく。リンリンロードは1キロ毎にキロポストがある。この間を10分で歩き続ける。藤沢3時45分を目指して。ウォークマンを出して元気付けようとしたが、このペースに合う演歌・北島三郎は無く、中島みゆきも小泉今日子もペースに合わない。諦めてアカペラの「猫ひろし」でいく事にした。(今回もウォークマンはお荷物であった)藤沢には3時43分に着いた。給水をしていると「西中さーん」の女性の声。振り向くと先程すれ違ったN氏の奥様が休憩されていた。73キロまでこの時間で来ている事にビックリである。ちょっとお話をして元気を貰い、最後の13キロに向った。あと125分でのゴール目指して。
 今回参加のもう一つの楽しみに、日頃見ているブログの人達と会える事があった。このブログは「100キロウォーク」で検索していて偶然に見つけたもので、実に興味深い人達が最適の間合いで「ちーむ・つきっこ」をつくっていて、各々が素敵に日々を送っている事が綴られている。特にリーダー的存在の男性むんちんとそのサブといった感じの女性あららちん、そして文章がうまくブログに誠実さが溢れている桶さん、さらにチームのアイドル(?)といった永遠の16歳(?)劇作家のみゆきちんに会いたかったのである。劇作家とは、昨年のつくばでほぼ同じ速度で歩いていたからか、休憩所毎で会った。彼女の強烈な逆立ちY字ストレッチにはびっくりしたものである。むんちんとあららちんとは、スタートラインにいた時に拝顔と共に握手をした。更に8キロでお二人に追いつき少しの会話をさせて頂いたが、お二人とも予想通りで実に好印象の人物であった。「桶さんは?」「少し後を歩いています」「桶さん、大好きなんです。文章がすごくうまいですよね」「桶さんは人がすごく良くて人格者ですよ」といった会話のあと「頑張ってくださーい」と励まし合って先に進んだ。その後、16キロ辺りでセーラー服姿のみゆきちんに追いついた。ここでも少しお話させて戴いた。実にチャーミングな永遠の乙女(?)であった。そして岩瀬からの戻りに、岩瀬に向う「ちーむ・つきっこ」の人達とすれ違い、「桶さん、いますよー」というあららちんの声で待望の桶さんと握手ができた。暗くてよく見えなかったが、雰囲気は西郷隆盛(会った事はないが)の様な感じがした。
 更に藤沢87キロを過ぎて一路ゴールを目指して半分寝ながら歩いている時に、「おはようございまーす。頑張ってくださーい」とむんちんとあららちんに声を掛けられて、一気に目が覚めると共に大いなる元気を戴いた。その後に、桶さんとも出合った。もう夜は明けかけていたので今回ははっきりと拝顔出来たが、夜の予想とおり「人物」のオーラが出ていた様に思う。またまた握手をし、そして桶さんとすれ違った後振り返って、「桶さん、これやりたいねー」と左手を天に向けて突き上げた。桶さんも左手を突き上げてくれた。(意味不明と思いますがONE PIECEの重要なシーンの一つなんです)後日、桶さんブログをみると「ファンという方から握手を求められました。こちらこそ本当にいつもありがとうございますW(2013/05/25(Sat)20:31」と載っていてちょっと嬉しかった。ともかく、もう一つのお楽しみは十分に楽しめて成果ありだった。
 そんな出来事とは無関係に、完全に夜は明けてあたりは明るくなり、その中を目標時間目指して進んで行くが残念ながらピッチが上がらない。正面に見える筑波山も曇っていて頂上は見えず気が乗ってこない。このままではヤバい!とここで最後の武器のメガシャキを飲んだ。が効かない。今の状態で有効なのは「気力」のみと判断し、とにかく「猫・ひ・ろ・し」を心の中で連呼して脚を動かした。あと5キロ、あと4キロとゴールが近付いてくる。キロポストがある度に時計をみる。ゴール近くの旗が見える。ゴールの横断幕が見える。あと200mになると、ゴール近くの人の歓声が聞こえてくる。そして・・・・、ゴール!!!  同時に心の中の「猫・ひ・ろ・し」が消えた。もうピッチを刻まなくていいのだ。最終チェックを受けて完歩証を頂いた。所要時間は驚くなかれ「16時間39分53秒」で、実に目標比7秒の差である。当初計画通り時速6キロで100キロを歩き通したのである。辛かったが達成感も大きい。そして「もう少し短縮できるかな・・・」と欲張りな反省も出てきた。つくば100キロの2回目が終わった。
 参考までに仲間も大奮闘し、参加7名の内6名が完歩、1名が60キロでのリタイヤの結果であった。皆さん、本当によく頑張りました。お疲れ様でした。後日開催した完歩慰労会兼反省会も当然ながら大いに盛り上がりました。
 小職の来年の参加は、「もう、いいかな」ということで・・・・・。
横浜市 西中 誠
トマトにきゅうり、
電解質クイックチャージとアミノバイタルですか。
勉強になります。

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